遺産分割協議
目次
・遺産分割協議の方法
・相続人の確認
・相続財産の確認
・協議がまとまらない場合
遺産分割協議の方法
遺産分割は、遺言があればこれに従います。遺言がない場合は相続人の間で遺産分割協議が必要ですし、遺言があっても相続人全員の合意があれば、遺言と異なる遺産分割が可能です。
遺産分割の方法については民法906条に定めがありますが、「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況そのた一切の事情を考慮してこれをする」と抽象的な規定になっています。そのため、相続人間で自由に決めることができる一方で、相続人の感情や財産の中身によっては複雑となり、紛争へと発展することも多くなっています。
主な分割方法は以下の通りです。
現物分割 | 遺産をそのままの形で分割する方法(不動産と株式を分けるなど) |
代償分割 | 遺産の現物を相続人の一部が取得し、他の相続人に相続分に相応する現金を支払う方法 |
換価分割 | 遺産を売却し金銭に換えて、各相続分に応じて分割する方法 |
共有分割 | 遺産の一部または全部を相続人が共有する方法 |
相続人の確認
遺産分割は相続人全員で行う必要があるため、まずは相続人を確定する必要があります。一部の相続人を無視して行われた遺産分割協議は無効となりますので、注意が必要です。
相続人の中に行方不明者がいる場合は、失踪宣告や不在者のための財産管理人を選任するなどの方法があります。胎児は「既に生まれたものとみなす」とされています(民法886条1項)。なお、内縁関係の場合は相続人とはなりません。
相続財産の確認
被相続人のプラスの財産(現金・預金・不動産・株式など)だけでなくマイナスの財産(借金など)も相続されます。被相続人から一部の相続人や第三者に贈与されたものがないかも確認しておくことが大切です。財産が分からないといった場合は、専門家に調査を依頼することができます。
協議がまとまらない場合
遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所の調停、審判を利用することになります。協議、調停は相続人の意向が反映されますが、審判は家庭裁判所が強制的に分割方法を決定します。
相続に関しては、遺産の範囲についての意見の相違、価値の評価などで意見がまとまらないことが多く、スムーズに手続きを進めるためには弁護士にご相談いただくことをお勧めします。